OKRとは、企業や部署、従業員などの各階層における目標達成管理の手法の一つです。OはObjectivesの略で「目標達成」を意味し、KRはKey Resultsの略で「主な結果」を意味します。
従業員個人から企業全体まで、それぞれの目標をリンクさせ、共に目標達成を目指せることがOKRの特徴です。インテル社、Google、メルカリなど、多くの大企業で取り入れている手法です。
1つ目のメリットは、企業が目指している目標を明示することで、従業員が自分の目標と企業全体の目標をリンクできることです。双方のリンクがあればこそ、従業員個人の行動は、会社が向かうべき方向へと自然に促されます。
企業や部署、従業員個人が具体的な目標と結果を共有しているため、互いの動きを具体的にイメージしやすくなります。結果として、社内全体で同じ感覚に基づく共通言語が生まれ、本質的なコミュニケーションが円滑化します。
OKRにより企業の目標、部署の目標、従業員の目標が明確化されるため、常に目標達成を意識することで、目の前のタスクの優先順位を決めやすくなります。優先順位に基づいてタスクを消化することで、従業員個人は効率的に目標達成へと近づきます。ひいては、部署や企業全体も効率的に目標達成へと近づいていくことになります。
一般的な企業活動では、目標の設定において「100%達成」を前提としますが、OKRでは「100%達成」を前提とした目標を設定しません。おおむね「60~70%達成」で着地する非常に高い目標を設定します。従業員も企業も高い目標を目指すことで、さらなる成長へとつなげていくためです。
ここで注意したい点が一つあります。OKRが設定する目標は100%達成を目指すためのものではなく、従業員や会社の成長を促すためのものである以上、達成率の高低を人事上の評価に反映させるべきではない、という点です。達成不可能な目標の達成率を人事評価に反映させても、大きな意味は得られません。OKRは人事評価制度と別であることを忘れないようにしましょう。
OKRの設計は、上から下へ向けて「組織>部門>チーム>個人」という順で落とし込んでいきます。逆にフィードバックは「個人>チーム>部門>組織」という順で行います。
OKRは、セクションごとに1つだけ設定します。ミニマムでの運用を基本とし、短期的な改善サイクルを継続的に行うイメージです。くれぐれもKR(主な結果)を多く設定しないよう注意してください。
OKRの運用は、トップダウン型ではなくボトムアップ型を意識することが大切です。トップダウン型で運用した場合、比較的上位の意見が通りやすくなり、個人やチームには不満が蓄積しやすくなります。各セクションにおいてボトムアップ型の運用を採用し、下位の意志を大切にしていることを示しながら、全社的にOKRへ取り組みましょう。
従業員個人のOKRを設定する際には、チームのOKRや部門のOKRとの整合性を確認しましょう。OKRに不整合が見られる場合やKR(主な結果)が重複している場合などは、速やかに修正します。
OKRの運用がスタートしたら、週に1回程度のミーティングを行って進捗確認を行いましょう。進捗確認とあわせて、OKRの修正の必要性についても話し合います。OKRの評価については、O(目標)に対して設定したKR(主な結果)において、達成度をパーセンテージで算出して判断します。
多くの大企業で取り入れているOKR。企業と個人の目標をリンクさせる高度な目標達成管理手法ですが、その具体的な運用については専門的な知識と経験が必要となるでしょう。OKRに関心のある企業様は、人事に関連した支援を行っているコンサルティング会社に相談するようおすすめします。
企業の成長段階に合わせた人事評価制度の導入は、組織全体のパフォーマンスを向上させることができます。人事評価制度を導入したい目的から選ぶのがポイント。おすすめのコンサルティング会社を3社ご紹介します。
引用元:あおいコンサルタント公式HP(https://rodojikan.com/)
引用元:OGSコンサルティング公式HP(https://ogs-consulting.co.jp/service/)
引用元:セレクションアンドバリエーション公式HP(https://sele-vari.co.jp/)