「現状をよくしたい」、「社員が働きやすい環境にしたい」、そんな前向きな思いから評価制度を見直したり新たに構築したりする方も多いのではないでしょうか。
しかし、思ったような効果が得られない、むしろ状況を悪化させてしまうような失敗例も。自社で評価制度を構築することで起こった失敗例と原因、そうならないための対策を見ていきましょう。
まずは具体的にどのような失敗例があるのかを見ていきます。
このように、現状をよくするために構築し導入した評価制度だったのに、かえって社員のモチベーションが低下してしまうような結果に至ってしまう可能性もあるのです。
人事評価制度を構築したものの、基準を明確に設定できていない場合、その基準の甘さから失敗してしまうことも。
評価の基準があいまいになってしまうと、それぞれの評価者の捉え方次第で評価に差が発生。評価者の主観や感情が入った評価になってしまい、公平に評価することが困難になります。
評価者のそれぞれのスキルに依存する結果となり、評価者によって差が出るという不公平な評価から、社員からの不満が出てしまう結果になるのです。
評価制度を構築するからといって、多くの情報を盛り込みすぎたり、評価内容を高度で難しいレベルのものにしてしまったりすることも、失敗に繋がります。
多くの情報を詰め込み過ぎた場合、おそらくその内容が膨大なものとなり、この評価制度を運用する上でのマニュアル自体が分厚いものに。そんな評価制度になってしまっては、読み込み評価制度を理解するまでにかなりの時間を要することとなります。
また、その高度な内容が故に、評価者が理解不足に陥り、正しい評価ができずに評価者によって評価が著しく異なるような事態にもつながりかねません。
評価制度の基準の明確化を重視しすぎたがために起こってしまいがちなのが、成果主義の評価ばかりになってしまうこと。
評価基準が数値のものなら一目瞭然でありわかりやすいですが、あまりにも成果主義の評価制度になってしまうと、評価を上げたいがために、目標の数値をあえて低くしようとしてしまう社員が出てくる可能性もあります。
社員の意欲の低下にも繋がってしまいます。また、減点方式の評価も、社員のモチベーションの低下に。ここが足りてない、できていないという点だけでは、意欲を阻害してしまうのです。
評価制度を導入する目的をまずは明らかにし、その目的に合った評価基準を策定することが大切。到底達成できそうにないビジョンや目標を元につくってしまうと、どうせ達成できないと形骸化してしまうため、現実とかけ離れないようにしましょう。
また、できれば評価基準は数値などを用いて、人により捉え方が変わらないような、わかりやすい基準にします。
もしその評価が数値で表せない場合、評価に偏りがでないよう、その評価基準について評価者と認識を十分に合わせましょう。
評価者が評価基準に沿って正しく評価ができなければ、評価基準をつくっても意味がありません。
また、評価基準について、評価者間で共通認識を持っていない場合も、それぞれの主観や感情が入ったものになったり、評価に差が出てきたりしてしまいます。
評価基準を評価者にしっかりと理解してもらうためにも、評価者の理解を深めるための研修を行うことが大切。
評価制度の説明だけでなく、評価の精度をより高められるように座学やロールプレイングを取り入れると有効的。マネジメント能力の育成や評価、面談のスキルの向上も見込めます。
人事評価制度が成果主義にばかり偏ってしまうと、社員のやる気を損なうことにも繋がります。
基準の明確化には数値や指標にたよりがちですが、それだけを評価するのではなく社員が新たな挑戦をしたいと思えるような、評価基準が必要です。
また、そのためには評価の後のフィードバックも大切。社員の成長を促すような評価とフィードバッグを受けられるよう、整備しましょう。
働く環境の改善や意識改革のために行う、人事評価制度の見直しや構築。決まりきったフォーマットなどはなく、自社独自のものとなるからこそ、失敗もしてしまうもの。
ただ、できるだけ状況を悪化させたくはないのは本音。失敗の原因として考えられるものに気を付けながら対策をし、よりよい評価制度をつくりましょう。
しかし公正公平な評価制度をノウハウがない状態で作成するのは困難を極めます。自社で無理やりつくろうとせず、知識とノウハウのあるコンサルに依頼して作ることをおすすめします。
企業の成長段階に合わせた人事評価制度の導入は、組織全体のパフォーマンスを向上させることができます。人事評価制度を導入したい目的から選ぶのがポイント。おすすめのコンサルティング会社を3社ご紹介します。